2018年9月18日火曜日

アコギ ”Taylor GS” のシム調整(ネックリセット)


1.経緯

 Taylorのギターをオークションで手に入れたのは7、8年前。低音の響きが柔らかく豊かで良い音なのですがもう少し弦高を下げたいところ。
でもサドルはこれ以上削ると急激に鳴らなくなる所まで削っているし、ネックアングルを変えるしか無いか.....と数年間考えていたのでした。
しかし、オークションで入手したこのTaylorは直輸入品らしくシリアル番号を調べると国内のTaylor正規店ではメンテしてもらえない個体です。

あとは、Taylor正規店以外のギター工房へ頼むか。
遠地へギターを送ると色々と問題が多いので、直接持って行けそうな工房に連絡したものの今一つTaylorのネックリセットに付いて認識が一致せずに断念。

やっぱしょーが無いので”自分でネックリセットするか!”という事です。
ネックの延長上、サドル部分で0.5mm上にする、つまりサドルを今より0.5mm高くするとう事を目標にします。
本当は1mm高くしたいところですが、今の設定と大きく変えるのも怖いので0.5mmでいいっかという所なのです。

2.準備

 まずは、情報収集を行います。
とは言ってもWeb上の参考例を探すだけです。TaylorのNTネックはボルト3本で外れますが、インチサイズなので、それ様にレンチと六角レンチを準備します。
3/16の六角レンチ、7/16のソケットレンチを準備します。
ノギスはミツトヨが欲しかったけど、高すぎるのでシンワで妥協して、556吹いて何回も滑らせて少し動きを良くして準備完了。
ドライヤーはTaylorのラベルシールを剥がすときに使います。
シムはサペリの板で厚さは2−2.8mm程度なので、3mm厚のサペリ板を購入しました。

3.ネックを外す

 まず初めにドライヤーでボディ内のTaylorシールを温めて剥がします。案外簡単に剥がれてきます。ただ上端は90度に折り曲げられていてここはなかなか剥がれませんでしたね。


次はネックを外しますが、ナットの締め具合が音に影響を与えるという事を浜松の新岡先生のBLOGで見ていたので、元々どの程度の力でしまっているかをしっかり覚えておきます。
指板部分にの六角ナットは結構な力で締まっていますが、ネックを止めている2本のボルトはかなりの緩さで締まっています。トルクレンチがあるわけでは無いので感覚で覚えます。


それにしても、セットで1000円程度のボックスレンチでは重すぎて感覚っても適当になるよなあ。もっと高いのを買うんだった〜



4.シムを作る

 サペリ板に取り外したシム2種類の外形を写し取って切り出します。
ここで、やはりノコギリが切れないと苦労するなあ、んー刃物は難しい。家にあったノコギリを使ったけど小さなのを買うんだったかな。

シムの厚さを計算してどうやって厚さを出そうか考えたのですが、んー専用の工具があるわけでもなし、やっぱ地道に紙やすりで削る事に決定。
ネックジョイント部のシムは2.7mm程ですが指板側のシムは2mm程なので1mm程度削る必要があります。
これが結構大変でした。
雰囲気的に、シムの片側を0.1mm低くするとブリッジ部分で0.5mm程動く感じで考えました。(実は最初の設計が間違っていたのでやり直しがあるのです T_T)

まず、切る!

次に削って形を整える。


外形が整ったら、厚さです。
これが結構大変でゴム製で紙やすりを巻きつけて使う
やつを購入してきてよく削れる白い紙やすりの40番、60番で削ります。
 これが難しい、平らにならない。
あーベルトタイプのグラインダーが欲しい!


厚さを測って削る、測って削るの繰り返し。
ここでシムの平面を気にする必要があります。
この時は大事な事を分かってなかったのです(T_T)
最後に穴あけです
出来たー、
と思ったらリーマで穴を広げようとして割れた(;_;)シム、
削りすぎて使えないシム(T_T)、なかなか上手くいきません。

それでも何とか削り上げて装着です


5.組み立て

 作ったシムを入れて組み立てです。
ネックを当ててみると、上手くはまりそうです。早速組み上げて弦を張ります。
サドルは新品のTASQを使いました。

鳴らしてみると、ギラーン.....あれ、音が硬い!!
ネックの下の部分とボディの隙間も少し大きい感じがするし。

で、1日目はここで 終了

翌日再度外してシムをチェックします。
ネック側のシムの厚さを間違えていて、逆方向に薄くしてしまった事に気がつく。
なんか、めげながらも再度板から切り出します。

さらにネック側のシムの平面が出ていなかったのでなんか変。
何回ネックを外した事か!
10回くらい外したと思うけど、何とか思ったアングルに落ち着きました。

7.音出し

 で、問題はボルトの締め具合なのです。
指板側の六角レンチのボルトは結構強めに締めました。
問題のネックエンドのボルトです。そこそこ緩めに締めたのですがそれでも強かった様で、少し緩めたら結構いい感じ、でもまだ音が硬くてふくよかさが無い感じです。
もう少し緩めてオッケーとしました。

Taylorのシールも何度剥がした事か、しばらく貼らなければ良いのにすぐ完成した感じになって貼っちゃうんだなあ。


それから、サドルを0.5mm削り1弦12Fで1.8mm程度になりました。

8.課題

 薄いシムの削り方がよく分からず削ったけど、平面が出ていないのは分かっていて、治具というか何か工夫しないと上手く削れないと分かった。

今入っているシムは平面がきちんと出ていないものなのです。

いつか再度チャレンジだな。
しかし何か板にでも貼り付けて平面に置いた紙やすりの上を滑らせて削るのが良いか。
何か良い方法は無いものか。









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