2018年9月24日月曜日

アコギ ”Taylor GS” のシム調整 その3 音

シム調整で弦高はほぼ良い感じになってます。
ただ、音がなんかキンキンするのでピックアップの調査を行います。

1.音

生音でも少し感じるのですが、かなり高音域10KHzくらいに感じるあたりの所のしゃりしゃり感が出てしまいどうもいまいちな感じです。
この原因を探るためにプリアンプから調べます。

2.プリアンプ

プリアンプはボリューム、トーンのツマミ部分に組み込まれています。
この機種はスライドスイッチが2個あります。この2個のスイッチで、ボディ6弦側くびれ部分、ブリッジとエンドピンの間くらい、にあるコンタクトPUをON/OFFできるのです。
ES1でもいくつか種類がある様です。
探したいのは、基盤の中に音質調整用の半固定VRの有無なのですが、探したけどありませんでした。
個体調整は必要ないくらいに規格化されたPUなのでしょう。という事で基盤での調整は出来ませんでした。

ピックアップは3箇所に取り付けられています。
ネックエンドのPUはマグだと思っていたのですが、ピックでネックをトントンすると結構大きな音がします。
これもコンタクトだったのか〜、でもコイルが見えるんだけどなあ。ボディのコンタクトもコイルが見えるのでピエゾとは作りが違う様です。

3.ネックのPU

ボディのPUをOFFにしてもキンキン音は収まらないのでネックを外して確認する事に....
またネックを外すのか〜、Taylorシールも剥がす必要があるなあ。
ますは外します。

PU部分をプラのピンセットで軽く叩いてみると、結構な音がでます。
マグだと思い込んでいたのですが、この時初めてマグではないと知りました。
特に異常はみられず、また組み立てます。

4.これかぁ

音出しチェックを行っていたのですが、ボディ中からネックエンドのPUの配線を確かめていて気がついた点。
ひょっとして、配線がボディに触れていて振動が配線に伝わるの原因かもしれない、と思いつくのです。
結局、これがビンゴです。
ネックをなんども外しては付けてを繰り返し、配線が押されてボディに接触していた様です。これが嫌なキンキン音を引き起こしていた様です。

配線を引き起こして音出しをして、なんか良い感じ。
という事で、これでひと段落です。しばらくこのままいきたいと思います。

その4あります(2019.10)



2018年9月23日日曜日

アコギ ”Taylor GS” のシム調整 その2

先日調整したTaylorのネックですがアングルが元に戻ってきたようでショックを受け
手がボルトの締め具合の感覚を覚えているうちにと再度挑戦!
しかし.....そんなにすんなりとは行きません。

1.準備

すでにオリジナルのシムは取り外してあるので、それをコピーしながら厚さの加減を前より0.1mm程度多くしようと考えてたのですが、念のため2組作ります。1組は0.2mmの差をつけます。
まずは工具を準備です。
今回ノコギリは小型で目の細かい”竹ひき”というのを買いました。なるべく切りたい形に近く切るとヤスリで削る時に楽なので。

2.削るための治具

3mmのサペリ板を大まかにシムの形をなぞって切ります。
切ったら、削ります。
削るときに両端だけ薄くなることも経験済みなので、板を組み合わせて削るための治具を作りました。


3.削る

 こんな感じでサンドペーパーを下に敷いて治具に両面テープで板を貼り付けて削ります。
ネック側は2.8mm、指板側が2.1mm程度を目標に削ります。

4.穴あけ

そこまでできたら、穴あけです。
前回せっかく削ったのにリーマーで穴を広げようと1枚割ってしまったので、今回は最初から木工用ドリルで穴を開けます。

ととところが、”ガーン”事もあろうに木工用のドリルで指板側シム2枚とも割ってしまいました(T_T)
あ、ありえねえだろうと思っても後の祭りです。ここまで3時間です。

5.やり直し

普段なら、ここでめげて辞めると思うのですが今回は気持ちが切れなかったので、頂き物の鳩サブレを食いながら気を取り直します。
板を削って薄くしてから穴を開けるのが良くないと考えて手順を変えます。
切ったら、削る前に穴を開けてしまいます。

6.無事できました

さらに1時間半過ぎていました。

7.シム入れ替え

またシールを剥がし、ネックを外してシムの交換を行います。
結局予備的に作った厚さの差が大きい方を利用することにしました。

サドルも新品をあててみます。
今回購入したTASQのサドルには型番が印刷されています。わかりやすくてこれは良いです、それに加工精度も上がっている感じがします。

交換完了、と思ったら今度はなんと3弦がきれました〜(泣)
あれこれ10数回外しているし、しょうがないって言えばそうなんだけど。
elixerの3弦は弱い感じがするのでいつもは3弦緩めていないのですけども......

8.出来た!

以前交換した古い弦を張ってとりあえず形にします。
こんなに作って結局1組しか役に立ちませんでした。
ここまで、5時間か......
もう少し、ネックの角度をつけたい感じはするのですが、まあこの辺でしばらく様子をみます。フレット延長線がサドル部分で1mmほど上がった感じです。
ネック側の二本のボルトの締め具合は微妙で、かなりゆるく締めてあるのですがなんかそれも不安材料ですが今後ネックがどう動くか様子を見て考えます、
ですね。

9.それから....

まだ気になっているのが、ES1ピックアップの音質です。
しばらく弾かないうちに(かな?)高音がえらく強く出るようになってしまい、内臓のプリアンプで調整できるのか、PU部分に問題があるのか悩みは尽きないのです。






2018年9月18日火曜日

アコギ ”Taylor GS” のシム調整(ネックリセット)


1.経緯

 Taylorのギターをオークションで手に入れたのは7、8年前。低音の響きが柔らかく豊かで良い音なのですがもう少し弦高を下げたいところ。
でもサドルはこれ以上削ると急激に鳴らなくなる所まで削っているし、ネックアングルを変えるしか無いか.....と数年間考えていたのでした。
しかし、オークションで入手したこのTaylorは直輸入品らしくシリアル番号を調べると国内のTaylor正規店ではメンテしてもらえない個体です。

あとは、Taylor正規店以外のギター工房へ頼むか。
遠地へギターを送ると色々と問題が多いので、直接持って行けそうな工房に連絡したものの今一つTaylorのネックリセットに付いて認識が一致せずに断念。

やっぱしょーが無いので”自分でネックリセットするか!”という事です。
ネックの延長上、サドル部分で0.5mm上にする、つまりサドルを今より0.5mm高くするとう事を目標にします。
本当は1mm高くしたいところですが、今の設定と大きく変えるのも怖いので0.5mmでいいっかという所なのです。

2.準備

 まずは、情報収集を行います。
とは言ってもWeb上の参考例を探すだけです。TaylorのNTネックはボルト3本で外れますが、インチサイズなので、それ様にレンチと六角レンチを準備します。
3/16の六角レンチ、7/16のソケットレンチを準備します。
ノギスはミツトヨが欲しかったけど、高すぎるのでシンワで妥協して、556吹いて何回も滑らせて少し動きを良くして準備完了。
ドライヤーはTaylorのラベルシールを剥がすときに使います。
シムはサペリの板で厚さは2−2.8mm程度なので、3mm厚のサペリ板を購入しました。

3.ネックを外す

 まず初めにドライヤーでボディ内のTaylorシールを温めて剥がします。案外簡単に剥がれてきます。ただ上端は90度に折り曲げられていてここはなかなか剥がれませんでしたね。


次はネックを外しますが、ナットの締め具合が音に影響を与えるという事を浜松の新岡先生のBLOGで見ていたので、元々どの程度の力でしまっているかをしっかり覚えておきます。
指板部分にの六角ナットは結構な力で締まっていますが、ネックを止めている2本のボルトはかなりの緩さで締まっています。トルクレンチがあるわけでは無いので感覚で覚えます。


それにしても、セットで1000円程度のボックスレンチでは重すぎて感覚っても適当になるよなあ。もっと高いのを買うんだった〜



4.シムを作る

 サペリ板に取り外したシム2種類の外形を写し取って切り出します。
ここで、やはりノコギリが切れないと苦労するなあ、んー刃物は難しい。家にあったノコギリを使ったけど小さなのを買うんだったかな。

シムの厚さを計算してどうやって厚さを出そうか考えたのですが、んー専用の工具があるわけでもなし、やっぱ地道に紙やすりで削る事に決定。
ネックジョイント部のシムは2.7mm程ですが指板側のシムは2mm程なので1mm程度削る必要があります。
これが結構大変でした。
雰囲気的に、シムの片側を0.1mm低くするとブリッジ部分で0.5mm程動く感じで考えました。(実は最初の設計が間違っていたのでやり直しがあるのです T_T)

まず、切る!

次に削って形を整える。


外形が整ったら、厚さです。
これが結構大変でゴム製で紙やすりを巻きつけて使う
やつを購入してきてよく削れる白い紙やすりの40番、60番で削ります。
 これが難しい、平らにならない。
あーベルトタイプのグラインダーが欲しい!


厚さを測って削る、測って削るの繰り返し。
ここでシムの平面を気にする必要があります。
この時は大事な事を分かってなかったのです(T_T)
最後に穴あけです
出来たー、
と思ったらリーマで穴を広げようとして割れた(;_;)シム、
削りすぎて使えないシム(T_T)、なかなか上手くいきません。

それでも何とか削り上げて装着です


5.組み立て

 作ったシムを入れて組み立てです。
ネックを当ててみると、上手くはまりそうです。早速組み上げて弦を張ります。
サドルは新品のTASQを使いました。

鳴らしてみると、ギラーン.....あれ、音が硬い!!
ネックの下の部分とボディの隙間も少し大きい感じがするし。

で、1日目はここで 終了

翌日再度外してシムをチェックします。
ネック側のシムの厚さを間違えていて、逆方向に薄くしてしまった事に気がつく。
なんか、めげながらも再度板から切り出します。

さらにネック側のシムの平面が出ていなかったのでなんか変。
何回ネックを外した事か!
10回くらい外したと思うけど、何とか思ったアングルに落ち着きました。

7.音出し

 で、問題はボルトの締め具合なのです。
指板側の六角レンチのボルトは結構強めに締めました。
問題のネックエンドのボルトです。そこそこ緩めに締めたのですがそれでも強かった様で、少し緩めたら結構いい感じ、でもまだ音が硬くてふくよかさが無い感じです。
もう少し緩めてオッケーとしました。

Taylorのシールも何度剥がした事か、しばらく貼らなければ良いのにすぐ完成した感じになって貼っちゃうんだなあ。


それから、サドルを0.5mm削り1弦12Fで1.8mm程度になりました。

8.課題

 薄いシムの削り方がよく分からず削ったけど、平面が出ていないのは分かっていて、治具というか何か工夫しないと上手く削れないと分かった。

今入っているシムは平面がきちんと出ていないものなのです。

いつか再度チャレンジだな。
しかし何か板にでも貼り付けて平面に置いた紙やすりの上を滑らせて削るのが良いか。
何か良い方法は無いものか。